森田美勇人(Travis Japan/Love-tune)

「森田美勇人くんのファンです」と言うとこう聞かれることが少なからずある。

 

「どっち派ですか?」

 

率直に言って私はこの質問が苦手です。

要はTravis JapanLove-tuneどちらの美勇人くんが好きですか?どっちにいてほしいですか?という趣旨の質問なわけですが。私は彼がどこで誰と活動していても常に最高のアイドルでいてくれる人だと思っているので、環境にその魅力が左右されると思ったことはありません。なのにこういう質問の裏には大抵「トラジャにいる時の方が楽しそう」「Love-tuneにいる方が合ってる」という環境によって別人扱いをして優劣をつける意図が潜んでいる。それが好きじゃない。美勇人くんは今まで本当に色々な場所でたくさんの人と一緒にお仕事をしてきましたが、いつでもその場での自分の輝き方を自分の頭で考えて実践してきた人。掛け持ちに関しても、常にどちらにも等しく熱量を見せてくれる人です。どこにいないとダメだなんて勝手に決めつける方が失礼だし、環境で仕事への姿勢や態度が変わるようなプロ意識の低い人でもないと私は思っています。

 

今は美勇人くん自身が掛け持ちに意義とやりがいを感じて双方に還元したいと明言してくれているので、ファンとしては少しでも二ヵ所での活動がうまくいくことを願うのみです。だけどそれは本人も言うようにとても「恵まれた環境」であることをこちらも忘れてはいけないと思うんですよね。美勇人くんは「働かされている」わけではなく「掛け持ちをさせてもらっている」立場だということ。彼はジャニーズJr.、明日の約束なんてひとつもない存在で、同じ掛け持ちでもかつての錦戸くんとは話が全く違う。悲しいかなMr.KINGやHiHiJETのように事務所が力を入れて最優先に推したいジュニアではないこともファンだからこそわかっています。要するに彼が掛け持ちをしなかったからと言って、事務所にデメリットはほとんどないはず。それなのに、いろんな場面でいろんな人が彼の掛け持ちを上手くいかせるために力を貸してくれています。メンバーは常にフォローしてくれているようだし、スタッフさんにしても毎月の少クラの出番や衣装はもちろん、今回の帝劇で言えば2ユニットの柱の配置もパンフレットのクレジットもページ順もすべて彼の掛け持ちに対する配慮がある。美勇人くんが常々感謝を口にするように、ファンとしてもこんなありがたい話はない。

 

なぜ突然こんなことを書いているのかは、もちろんジャニアイを受けてです。

柱の枠の色とクレジットの名前がLove-tuneのみだったこと。それに関して「美勇人はトラジャのものだ」「抜けるなんて許せない嫌だ」と主張する人、それが高じてLove-tuneを批判する人まで見ました。はっきり言って、目に見える一部分で掛け持ちが形になっていないだけで不平不満を言いすぎじゃないだろうか。実際に初日の舞台を見れば、何度も2ユニットの衣装を着替えてステージに現れて、双方に所属していることは一目瞭然でした。それなのにツイッターの文字情報ひとつ見ただけでネガティブで攻撃的な言葉を綴ったり事務所やLove-tuneへの批判を繰り広げるのは余りに視野が狭いし短慮すぎると思うんですよ。そんな何でもかんでも掛け持ち仕様にしろなんて言えた立場ではない。たかが名前がないだけで脱退だLove-tune専念だと勝手に騒がれて、ステージ上の活躍よりそちらに焦点がいくのは悲しい。そんなことではなくもっと美勇人くん自身に、ソロダンスパートがあったことや台詞の言い回しがまた上手くなっていたこと、フライング(と呼んでいいのかは不明)をしたこと、そういったことに目を向けられてほしい。もっとも、美勇人くんのダンスや演技よりも彼がどこに所属する存在かという肩書の方が大切なトピックスだというなら、それ以上言うことはないんですけど。

 

Love-tuneが4人から7人になった時も同じことを思いました。Love-tuneの名が出れば必ず人数問題が付きまとってとても勿体ないと感じていた。重要なのはそこではなくLove-tuneのパフォーマンスがいかに魅力的かという点なのに、と。今TravisJapanとLove-tuneが揃うと必ず「美勇人くんはどちらの衣装を着ていたか」「どっちのメンバーと多く絡んでいたか」といったことがまず話題になります。勿体ない。美勇人くんを巡る環境ではなく美勇人くん自身を見てほしい。そんな論争を起こすために彼は掛け持ちを選んだわけでは決してないはずだから。ファン同士で彼を取り合うような対立なんて論外。どちらも頑張ると本人が語る以上は、少しの環境の誤差は飲み込んで彼の覚悟を応援したいです。

 

もちろん、何が起こるかわからない世界です。ユニットの解体やメンバーチェンジは珍しいことではないし先に書いたようにたくさんの協力があって成り立つ掛け持ちにいつ終わりが告げられたっておかしくない。これは「仕事」である以上、彼が望んだことがずっと続く保証はない。その時美勇人くんがTravis JapanLove-tune、もしかしたら第三の選択肢、どこにいるかは誰にもわかりません。ファンも人間だから「トラジャが好き」「Love-tuneでデビューしてほしい」いろんな思いがあって当然ですし私にもあります。けれどどこにいても、それがこれまで私たちが見て応援してきた「森田美勇人くん」であることだけは見失いたくない。美勇人くんは一人しかいないから。どこにいても変わらずにアイドルを全うするだろう美勇人くんを否定せずにまっすぐに応援できる自分でいたいと思っています。

 

もし何かの偶然でこの文章を読んだ方がいらしたら、最後まで目を通していただきありがとうございました。これから先、景色がどう変わっても美勇人くんがアイドルである限り、その夢が叶うことを願って遠くから応援していたいと思います。